干し柿の里・山ノ上は、岡山県南部の矢掛町のなかでも最も北に位置し、その名の通り山の上にあります。高く隆起した地形で、秋から冬にかけては雲海を眼下に、晴れた日は遠く瀬戸内海が見渡せる見晴らしの良いところです。
霧が出にくい山ノ上では、昔から家の軒で干し柿づくりを行ってきました。冬の保存食だった干し柿が、その美味しさから矢掛町の名産品になり、今も昔ながらに手作りしています。
土井家もここで昔から干し柿づくりを続けてきた農家です。写真の下側、やや中央にある黒い屋根の古民家がそう。100年ほど前に、この家を建てた時に植えた2本の西条柿の木が、今では土井農園のシンボルです。新緑の季節には青々と葉が茂り、秋には淡い橙色の柿が実ります。
見晴らしの良い干し柿の里・山ノ上に、遊びがてら寄り道してみませんか?
岡山県矢掛町の特産品「最上干柿」は、冬にしか味わえない限定品です。土井農園では、丁寧に収穫した西条柿を愛情込めて干し柿にして、赤みが美しく柔らかい粒だけを選りすぐってお届けしています。
恵まれた自然の中で作り手が育む
土井農園の最上干柿
干し柿づくりに恵まれた環境のもと、中国地方発祥の糖度が高い西条柿を育て、岡山県矢掛町の特産品となった山ノ上地区の「最上干柿」。自然の恵みによってできる干し柿は、自然の天候にも大きく左右されます。それでも土井農園では昔ながらの天日乾燥にこだわり、お客様に喜んでいただくために、ひと粒、ひと粒、愛情を込めて作っています。
霧が海原のように見え、まるで山々が島に見える雲海。そんな雄大な雲海を望む、山のてっぺんにあるのが干し柿の里・山ノ上です。湿気が大敵になる干し柿づくりにとって、最盛期を迎える晩秋から初冬にかけて霧の上に里があることは、とても恵まれた環境にあるということなのです。
もともとは、先代だった父が土井農園と名付けて、横吊りで柿を干すことを考案したり、趣味でりんごの木を植えたりする兼業農家でしたが、15年ほど前に正式に開業。今は母と娘二人で西条柿を育て、毎年お客様が楽しみにしてくださる「最上干柿」をはじめ、りんごや自家栽培の野菜を使った加工品を手づくりしています。
土井農園 〒714-1227 岡山県小田郡矢掛町小田2992
「最上干柿」の魅力は、甘くて美味しいだけではありません。抗酸化作用、若返り、美肌効果、風邪予防などの効果が期待されるところ。ドライフルーツとしてヨーグルトに混ぜても美味しくいただけます。
温暖で晴れの日が多く、自然に恵まれた環境のなかでイキイキと育つ野菜やフルーツたち。土井農園では、にんにく、青唐辛子、生姜、青じそなどの野菜と、西条柿、りんご、梅、金柑などのフルーツを自家栽培しています。
収穫した野菜やフルーツは、農園の加工場で「ご飯のおとも」やジャムに加工します。素材そのものの味わいや食感を大切に、使う材料も吟味して、保存料や香料は一切使わず、無添加で手づくりしています。自分たちで育てた野菜やフルーツだから思い入れもいっぱい。子どもから大人まで、安心して楽しめる商品をつくっています。
自家栽培の野菜を使った「ご飯のおとも」シリーズは、どれも満足感ある濃厚な仕上がりです。万能調味料としても使え、マヨネーズと合わせれば野菜のディップにも。保存料・香料を使わず手づくりしています。
私たちが作り手です
【母】毎年、約2万個の干し柿を手づくりしています。お客様が待っとられると思うと、頑張らなくっちゃ!って。出来の良いものだけを渡したくて、良くないものをハネていくと柿が足りなくなる年もあるんです。それでも、そうしておかないと後で自分が気になってしまうから。「ゆみちゃんの干し柿がいいんじゃ」って言ってくださるのが嬉しくて、きれいな干し柿をお渡しすることに一番こだわっています。
【娘】うちの「最上干柿」だとひと目でわかる、赤っぽい美しい色。母の干し柿づくりは職人の域に達する腕前です。私にとって干し柿は、子どもの頃からある当たり前のものに過ぎませんでした。それが少しずつ農園を手伝うようになり、毎年買ってくださる方の存在や喜んでくださるお客様の声をお聞きするうちに気づいたんです。これはすごいものをつくっているんじゃないかって。受け継ぎ、次の世代に残していくべきものだという強い想いを持って、母を師匠と仰ぎ干し柿をつくっています。